第22章 虫の知らせ

こういうのは行かないのが吉だけど…



「…まさか行こうだなんて思ってませんよね？」

「まさか。オレ一人で行ってどうなるんだよ。返り討ちにあって終わりだ…やめだやめ。オレは寝るぞ」

「そうしてください。こちらの仕事が増えるので」

「い、言い返せない…じゃあなジェイド」



そう伝えて、双子の自室と真向かいにある自分の部屋に入る


…そこで、〝重なっていた二枚目の手紙〟を読む

一枚目には日時と場所

二枚目には…一人で来て欲しいという一言と、もう一言



「…こんなの書かれて…行かないわけには行かないだろ…」



どこでそんなの入手したのか…もしくはそれすらも嘘で罠かもしれないけど

最後の一文に、レイが着替えている盗撮動画をバラす。と書かれてあった


指定された場所は人目につかないことで有名だけど、そこに行くまでの道は周りからとてもよく見える。オレが人を連れて行ったらすぐにバレてしまう



「…ユニーク魔法を使えば、ジェイドにはバレずに部屋から抜け出せそうだな」



自分の背丈より小さいものになら何でも変身できる。それがオレのユニーク魔法だ

自分より小さければ全てが変身対象。人でなくても鳥や犬、猫にもなれる


とりあえず適当に小鳥の姿になって窓から部屋を抜け出す

…で、すぐに解く



「こういう時動かざるを得ないのは兄ちゃんの呪縛だよなぁ…あまり痛くされないといいけど…」



はぁ…とため息をついて、指定された場所まで向かった