第1章 ー両親の願いー
私の個性が判明する前に聞いた話ー
『パパのこせーってなーに?』
「んー?パパのは簡単に言うと、
そうだな〜ワープみたいなものだよ」
『わー、ぷ?』
それからパパは自分の個性について
子供の私にも分かるように説明してくれた
ワープと言うより転送のようなもので、
関係が濃い人の元へ送ることが出来る個性
『ママのこせーはおいしゃさん?』
「そうだね~ママは簡単なお怪我を治すから
お医者さんより看護師さんかな?」
そう言って頭を撫でてくれるママ
私も小さい頃はよくやんちゃして怪我したのを
治してもらっていた記憶がある
その2人の間に生まれた私には
どちらかの個性が現れると思っていたのに
4歳になり発動した個性は天使のような白い翼
2人とは似ても似つかない個性
その結果に驚く両親を他所に
よく空を飛べたらと考えていた私にとって
その個性はとても嬉しいものだった