第21章 ー林間合宿ー
**緑谷side**
洸太君を探しに彼の秘密基地へ行くと
ヴィランの1人であろう奴が襲いかかっていた
「緑谷ってやつだろ?お前ちょうどいいよ。
……お前は率先して殺しとけってお達しだ!
じっくりいたぶってやっから血を見せろ!!」
増強型の個性だろうけど1発1発が大きいーー
何とかガードするが岩壁へ打ち付けられる
「つっ…?!」
「そうそう、知ってたら教えてくれよ。
爆豪と神無月ってガキは何処にいる?
一応仕事はしなくちゃぁな……」
僕に二発目を振り下ろしながら言うその名前
(かっちゃんと神無月さんーーなんで?!)
ただ一つだけ分かるのは
今回の奴らの目的はその2人
今それを知ってるのはこの僕だけだ
(早くこいつを倒して2人を探さないとーー)
洸太君を守りながら、尚且つ早く勝負を決める
ただ僕の頭の中はそれだけだった
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**椿紗side**
森入り真っ先に目に入ったのは大量の血痕…
誰のものかわからないソレは
私の恐怖心を煽るのには十分なものだった
『勝己…轟君……皆……
…いや、もう…誰も失いたくないのに…』
その血溜まりを前に動けない私の背後から
ガサッという音と共に現れた異質な生き物ーー
「ネオヒャン…ギィギ」
『…脳無!?』
ソレはUSJ事件の時に対峙した奴違って
身体中から何本もの腕が生えその先には
殺傷力の高い刃物が幾つも付いている
そしてその手にはラグドールの物と思われる
血濡れのヘッドギアがしっかりと握られていた