第20章 ー期末テストー
『あれ、起きてる』
鋭児郎と医務室へ行くと
目が覚めたのか勝己は起きていた
「んだよ、起きてちゃ悪ぃかよ」
「心配してきたのにそう言うなよ〜」
悪態つく勝己の肩に鋭児郎が腕を組みながら
言うが"離れろ"なんて言われ顔を押されてる
『ふふふ、でも元気になって良かった!
期末テストも終わったし林間合宿もあるし
夏休みめいいっぱい満喫しなくちゃだね!』
「いいね!いつものメンツで遊び行こうぜ!」
鋭児郎のその言葉に思わず身を乗り出す
友達と過ごす初めての夏休みーー
夏祭りに海、花火…したいことは沢山だ
「何ニヤニヤしてんだ、オメェは」
『だって夏休み楽しみなんだもん♪
勝己もちゃんと遊ぶ時参加だからね!』
「…めんどくせぇ」
なんて言いながらも来るのが彼だ
なんだかんだ言って皆の事を想ってる
勝己と鋭児郎のじゃれあいを見ながら
この先の楽しい行事に自然と顔がほころむ
『ほら、今日はもう帰ろ?』
「帰りなんか食って帰ろーぜ!」
『さんせー!ほら勝己も早くー』
「急かすな、クソチビ」
変わらぬ日常ーー
友達と笑って過ごせるこの時間
このまま続くと思っていたのにーー
あの襲撃の日から時間が経ったせいで
私の頭は幸せ呆けしすぎていたんだ…
そしてこの夏休みが私にとって
人生の転機になるとは思いもしなかった