第19章 ー本当の気持ちー
『えーっと…あ!飲み物!
ちょっと飲み物買ってくる!』
「あ!逃げた!!」
皆の勢いに負けそうになり
咄嗟にそう言ってその場を逃げた
(…って出てきたはいいものの
携帯しか持ってきてない…どうするかな)
時間を潰そうにもここら辺だと
財布がなければ公園に行くしかない
『…公園とか久し振りだな』
あの日以来自然と避けていた場所
私の人生全てが変わったきっかけの場所
近くのベンチに腰かけて空を見れば
地元に比べ少ないが星が見えるーー
「神無月?」
名前を呼ばれた方を見れば
不思議そうに立つ轟君の姿があった
『轟君…こんばんは』
昼間のあの光景を思い出し目が見れない
「こんな時間にここで何してんだ」
『いや今日女子全員が泊まりきてて、
……質問攻めから逃げてきただけだよ』
そう応えながら横から彼の視線をじっと感じる
「…なぁ、なんでこっち見ねえんだ?」
『そ、んなことないよ!ほら…』
誤魔化すためにパッと彼を見たのに
彼の表情を見たら目が逸らせなくなった