第19章 ー本当の気持ちー
職場体験を終えた次の日
朝家を出ると相澤先生が待っていた
『先生?!お久しぶりです!!』
「ああ、相変わらず元気そうだな
……ほら、早く車に乗れ」
車に乗り込むと懐かしい香りに包まれる
そして隣には1週間振りの相澤先生だ
思わずニヤけてしまいそうなのを
窓の外を見ながら何とか我慢する
「おい、職場体験どうだった」
『へ?あ、凄く有意義でしたよ
個性のスキルアップも着々と進んでます』
私の言葉に先生は"良かったな"と笑う
「…そう言えばこの間だが……」
『この間?』
「いや、……何でもない
これからも期待してるぞ」
結局先生は何を言いたかったのかーー
真意は分からないまま学校に着いた
1-Aの教室に入れば久しぶりの再会に
話が盛り上がっているみんなの姿がある
その中には保須事件に関わった3人もいた
「神無月さん!おはよう!」
私に気付いたデク君の声に
他の2人も視線を向けてくる
『無事で良かった』
「心配かけて済まなかった」
「わりぃ…」
申し訳なさそうな3人のおでこに
軽く1回ずつデコピンをお見舞いする
「「った!?」」
『次無鉄砲に危険なことしたら
強化した手で思いっきりゲンコツだからね』
そう言って笑うと3人も安心したように笑った