第7章 救うも止めるも艶を添えるも理性
親父に言われ、……というか半ば脅され、奇妙なゲームとやらを始めてから数日経つ。
最近、身体の調子がかなり良い。
心臓への負担が少ないのだろう。
走っていても以前より心拍数も安定している。
おそらくこれは美和と身体を重ねているせいだ。
瑞稀は付き合い始めてから毎日のように美和を抱いている。
自分の体液は女にとっては催淫作用があると聞いていたが、どうやら自分にとってもそうらしい。
全く萎えないし、もう無理だろうという所まで美和を責めても今度は美和が瑞稀のせいでもっと欲しいと強請る。
セックスに対してもだが、美和の身体は瑞稀にとってはいつも摂取している血液よりもエネルギーが満ち溢れるものだった。
深く繋がり愛撫で満たされる程甘く濃くなる美和の身体。
よくよく考えるとあの行為もある意味『喰う』ことの一種だ。
最中に強烈に『食欲』に襲われないかと心配はあったが、それも無かった。
『お前はセックスが喰うことに直結している様に思っているのかも知れないが』
親父の言う通り、これは必ずしも一対一のイコールでは無いらしい。
全てから遠ざかろとしていたが、飢えのせいで知らないうちに『それ』に近付いていたのかもしれない。