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Mirror【R18】

第6章 平穏さにこそ潜む


「あ、瑞稀君こんな所に!」

「葵ちゃん」

「何やってるの? 向こうでゲームしよ」

「ゲームなんか好きじゃない」

「ねえ、そんな事止めて」

葵が瑞稀の腕に自分の腕を絡ませる。
瑞稀は即座に手を振り払い、心底嫌そうな顔で葵を見た。

「触んな、鬱陶しい」

そんな瑞稀の様子に葵もだろうが、澤子の方が驚いた。

でも、こんな瑞稀を前にも見た事がある。
瑞稀の飲みかけのお茶を葵が飲もうとして、瑞希はそのグラスを地面に叩き落とした。

「な、なによ。 私よりそんなオバサンがいいって言うの?」

「……下らない」

吐き捨てる様に言って瑞稀が立ち上がりそこから離れた。

「葵ちゃん……」

「…………」

無理もないが、葵はプルプルして涙を堪えていた。

「……大丈夫?」

澤子がそっと頭を撫でると葵は澤子に抱きついて泣き始めた。

「……っ、うゎーん!」

「うぇっ、ごめんなさい、澤子さん、ひっく、」

「いいのよ、別に」

この子、悪い子じゃ無いんだわ。

「うっ、瑞稀君って、ババ専ってやつなのかな」

……悪気は無いのよね……多分。



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