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Mirror【R18】

第3章 健全な精神は健全な肉体に宿りかし


夜にベッドに入っていると、ドアをノックする音と同時に執事のワズの声が聴こえた。

「瑞稀様、お客様でございます」

「何だ? こんな遅くに」

目をやると入り口には二人の女が立っていた。

きちんとした格好をしているが、雰囲気から『そういう所』の女だと分かる。
ホテトル? ヘルス? コールガール? 正確にどういうのかは瑞稀はよくは知らないが。

「……くそ親父め」

瑞稀は心の中で頭を抱えた。

「初めまして。 会長の仰せで参りました」

意外にも女達は丁寧な挨拶を返し、瑞稀の傍へ近付いてきた。

「勝手に入るな」

「思ってたより随分お若いようですね」

「会長に似てとても素敵です」

瑞稀の言葉を無視して女がベッドに乗ってくる。

「……おい」

「余り慣れてないって伺ってますけど大丈夫ですわ」

「優しく教えてあげます」

にじり寄る彼女たちに瑞稀が後退りした。
スーツの深い襟元からは豊かな谷間が見てとれ、瑞稀は慌ててそこから視線を逸らした。

「おい、窓から放り投げるぞ」

すうっと白い腕が伸び、それが無遠慮に瑞稀の股間を撫でる。
シーツ越しに下から撫で上げるように触れられ、ギクリ、と瑞稀の腰が引けた。

「まあ、凄い」

「触るな」

「もうこんなに」

「俺に触るな!!」

女達は瑞稀の大声に驚いて目を丸くした。

溜息をついて首を左右に振ると、瑞稀は女を肩と脇に抱え上げ、早足で父親の寝所へ向かいドアを思い切り蹴った。

ベッドに寄りかかって読み物をしていた高雄は眉をひそめる。

「なんだ瑞稀、騒がしい」

こ、このやろう。

「どういうつもりだ、これは」

憤懣やるかたない様子の瑞稀が二人の女を高雄の居るキングサイズのベッドに放り投げる。

「きゃあっ!」
「あっ!」

それにしゃあしゃあと高雄が答えた。

「昨日の詫びのつもりだが」

「詫びだと?」

「私は少し性急過ぎたのかもしれない。 だがこれは必要な事だ。 回数をこなさなければ私達の場合、加減を誤ると相手が壊れてしまう。 お前は女に優しくしたいんだろう? 勉強しなさい」

「要らねえよ!」



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