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Mirror【R18】

第11章 感情は航海の帆を張る


小田家。


閑静な住宅地にその家はあった。

うちが20個位は余裕で入りそうだ。
逸巳から聞いて大体の場所は知っていたが、その様相からすぐに分かった。
瀟洒な感じのお屋敷。


門のインターホンを押してみると、男性の老人の声が聞こえた。

「どちら様で」
「……瑞稀さんの友人で、崎元、澤子と、言います」

暫く無言ののち、お入りください、という声と共に門が開いた。
門から玄関まで結構な距離を歩いて、玄関先に立った。

「ごめんくだ……」

ノックをする前に大きなドアが開く。

「崎元澤子様でございますね。 私は執事のワズと申します」

碧眼の洗練された様子の初老の男性が澤子を迎えた。
外国人のようだが、流暢な日本語だった。

「いきなりすみません。 瑞稀さんに会いに来ました」
「……どうぞ、こちらへ」

広い玄関ロビーを通ってワズの後についていく。

彼はいくつかの扉が側面についた長い廊下の奥のドアを開けた。


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