• テキストサイズ

Mirror【R18】

第10章 前後を切断せよ


「自分の生の起源を考えた事は? ライオンが生きる為に子鹿を喰う事を責めるのか? お前のしている事は自分の母親、生に対する冒涜だ。
私たちはただ種が『違う』だけだ」


高雄の言う事はある意味間違ってはいない様に思える。
ただ自分とは絶対的に相容れない。

相容れては駄目だ。


「……話は分かった」

「だが、親父や俺の力の意味は、この家を肥え太らせる理由は何故だ? 愛するものを守れないのにそうする必要が何処にある?
あんたは自分が進化し優れた種だと思っている。 だが俺からすれば自分も含め、退化した虫ケラにも劣る存在だ」


「例えそうだとしても」

高雄は相変わらず表情を変えず、腕を組んで瑞稀を見返した。

「私達は『そうしなければ』生きていけない。 このままではお前の身体はじきに限界が来るだろう。 これは議論するまでも無い事実だ」


結局、こういう結果になってしまう。
だが自分にはこの結末しか思いつかない。

これ以外に道が無い。

「──俺はそれでいいと思う。 あんたや母さんには悪いが、俺は自分の生を否定する」





/ 187ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp