第16章 「ラストシーンの後は」
晴人「…」
『晴人…』
晴人「終わった」
『そっか…』
晴人「あのさ、頼みたいことあんだけど」
『?』
晴人「の魔法で…映研の部室まで運んでくんない?」
『…もちろん。いいよ』
晴人は千鶴を抱え、は魔方陣を出した
そして一気に映研の部室までワープした
千鶴「あれ…?ここは…」
晴人「映研」
千鶴は晴人を見た
晴人「これ」
晴人はフィルムを千鶴に渡した
千鶴「え…?」
千鶴はフィルムを受け取った
千鶴「これって…」
晴人「預かったんだ。悟史から」
千鶴「預かったって…?」
晴人「悟史はアメリカに行った」
千鶴「……アメリカ…?」
晴人「うん。もともと映画の勉強しに海外に行くつもりだったんだってさ。ファントムからも逃げられるし、一石二鳥だって。この街に戻ってきたの…その準備のためだったみたい」
千鶴「…そう…。そうだったんだ…」
晴人「…千鶴ちゃんに伝言」
千鶴「ん…?」
晴人「俺もあっちで頑張るから、お前も頑張れって。自分で言えばいいのにな!」
千鶴「ホントよ…。出合った頃から…いっつも自分勝手なんだから…」
そして映画の上映会が始まった
千鶴は自分の出演作に見入っていた
短いながらも思いがいっぱい詰まった作品
千鶴は涙を流していた
千鶴「バカ…っ…こんなの見せられたら…また頑張りたくなっちゃったじゃない…っ!」
上映会は終了した
千鶴はフィルムを大事そうに抱え、4人に頭を下げて歩き出した
そんな千鶴の背中を見つめた
晴人「いつかはちゃんと伝えなきゃいけないと思う…」
「「『…………』」」
晴人「でも今は…」
凛子「いいんじゃない…?人に希望を与えるのは…現実だけとは限らないわ…」
晴人「…うん」