第8章 「思い出を買うために」
晴人はファントムを倒し、戻ってきた
愛実はさっきから家を見つめていた
愛実「ありがとう…。あたし警察に行くわ。やり直したいって思ったの。今を…ちゃんと生きるために…」
晴人「そっか…」
バタンッ
車のドアが閉まる音がして振り返った
『凛子ちゃん…』
愛実「ちょうどお迎えが来たみたいね…」
凛子「あなたに会いたいって人がいるから…連れてきたの」
愛実「……山形さん…!?」
車から降りてきたのは山形だった
愛実「ごめんなさい…!あたし…あなたを騙して…」
山形「…愛実さん。…僕が…この家買います」
愛実「え…っ?」
山形「あ、いや、あの、あげるなんて言ってませんよ!?…戻ってきたら…僕からこの家、買い取ってください。待ってますから!」
愛実「ありがとうございます…!!」
愛実は頭を下げた
山形「か、顔を上げてください…!ね?」
2人は家を見つめた
『買い取るなら…元に戻した方がいいわね』
晴人「できんのか?」
『当たり前でしょ』
は家の周りに魔方陣をはって目を閉じた
そして魔方陣が光ると、家の焦げた部分や内装が直っていく
凛子「すごーい…」
『はい、終わり』
愛実「本当に…ありがとうございます…!」
『いいえ。戻ってきたときにこれじゃ可哀想だからね』
凛子「じゃあ…行きましょうか」
凛子に連れられ、車に乗る愛実
愛実「あの…っ!」
『…?』
愛実「あなたが本当に木の声を聞いたなら…教えてください…。何て言ってたんですか…?」
『…いつもあなたを見て…「大きくなったね」、「ムリしないでね」って思ってたんだって』
愛実は笑いながら涙を流し
凛子の車で行ってしまった