第51章 「大切なものは」
ソラ《これで…やっと…!!》
グレムリンはハーメルケインを振り上げた
晴人「逃げろコヨミ!!!!」
『やめてソラ…!!』
ドンッ…!
『!!』
背中を押されて倒れる
ザシュッ…!!
その光景はスローモーションに見えた
背中を押したのはコヨミだった
そしてコヨミはグレムリンに切り裂かれた
『コヨミ…!?』
晴人「コヨミーーーーー!!!」
切り裂いた部分から光りが溢れ出す
その光りが溢れる場所へグレムリンが手を入れる
そしてコヨミの中から賢者の石が取り出された
ソラ《はははは…っ!!賢者の石…っ!!ついに手に入れた…!!これで…僕は…人間になれる!!ははは…っ!!!》
グレムリンは賢者の石を手にしてどこかへ行ってしまった
コヨミの体が地面に倒れた
『コヨミ…っ!!』
晴人「コヨミ!!コヨミ…!!」
コヨミ「…いいのよ…これで…」
晴人「ダメだこんなの…!!こんなの…!!」
コヨミ「晴人ももわかってるはず……私は本当は死んでる…一度失った命は取り戻せない…ううん、取り戻しちゃいけないの…!」
晴人「でも…だけど俺は…っ」
コヨミ「私は幸せだった……晴人が… が…輪島のおじさんが…凛子が…瞬平が…仁藤さんが…みんなが私を受け入れてくれた…」
晴人「まだこれからだろ…?これからも…俺たちと一緒に…」
コヨミ「ありがとう…晴人… …」
コヨミが光り出す
晴人「待って…!」
『嫌だよコヨミ…!』
晴人「待ってくれコヨミ…!!」
コヨミ「賢者の石をお願い…晴人たちが…最後の…希望…」
コヨミは光りを放って消えてしまった
晴人「コヨミ…!?」
『嘘…嫌…っ』
コヨミの消えたあとには指輪が残された
晴人「コヨミーーー!!!」