第45章 「息子の形見は」
『美味しい…♪』
晴人「!」
『晴人…』
晴人「心配したんだぞ…急にいなくなるから…」
『ごめん…でも声かけても気づかないし…1人の方がいいかなって…』
晴人「…ごめんな」
『ううん』
「おい晴人、この可愛い子は誰だ?お前の彼女か~?」
晴人「違うよ先生…」
『先…生…?』
彼は晴人の小学校時代の恩師で熊谷というらしい
晴人が橋の上にいる時に偶然会ったらしい
晴人「えぇ!?退職しちゃったんですか!?」
熊谷「あぁ!」
晴人「俺…先生の授業好きだったのに~…」
熊谷「またまたまた!!お前は上手いこと言いやがるね~!可愛い顔して~!!」
晴人「あはははは!」
『(晴人が笑ってる…よかった…)』
熊谷「しかし俺は驚いたね。まさかお前があの店に住んでるとはな!」
晴人「先生こそ、何で面影堂に?」
熊谷「それ聞いちゃう?」
晴人「はい」
熊谷「実はよぉ…息子の形見を探しにな」
晴人「え…?」
熊谷「もう10年も前のことなんだけどさ…1人息子を病気で亡くしちまってよ。あ!じゃん!見ちゃう?」
熊谷はポケットから写真を出して2人に見せた
熊谷「この飛行機が、この子のお気に入りでな?ずーっと仏壇に供えてたんだけど…去年泥棒に入られちまってよぉ…」
晴人「え…盗まれたんですか…!?おもちゃを…?」
熊谷「あぁ…後で聞いたんだけどな?どうも日本に1つしかないっていう貴重なおもちゃらしいんだ。それで…お前の店で見つけたって聞いたからよぉ」
しかし1ヶ月前に他のお客が購入してしまったらしい
コヨミと輪島が購入したお客を調べて住所を教えてもらった
熊谷「これからそのお宅を訪ねようと思ってるわけよ」
晴人「ならよかったじゃん」
熊谷「あぁ、いやいや。まだホントにあるかどうかもわかんないしさ。ま、少しだけ希望が見えたってとこだな」
『…っ』
何だか胸がざわつく
『(何…?この感じ…!)』
コヨミ「晴人!!」
晴人「コヨミ…」
熊谷「あ!お姉ちゃん!さっきはありがとな!」
コヨミ「よかった…熊谷さんと…会えて…」
『コヨミ…?』
コヨミ「ファントム…!」
晴人「え…!?」
『嘘…』
「そう言えば…あたしたちをかぎ分けられる人形がいたんだったわね…」