第39章 「奪った希望」
『ハァ…ハァ…』
心の声や…過去の映像を見ることができる目なんていらない
『…っ!』
晴人のあんな辛そうな顔…見たくないよ…
ソラ「ちゃん」
『…ソラ』
ソラ「どうして泣いてるの…?」
『…何でもない』
は目を擦った
ソラはの腕を掴んだ
『離して…!』
ソラ「口元…切れてる…」
『大丈夫だから…離して…』
ギュッ…
『…!!』
ソラ「離せない…」
『ソラ…!ちょっ…!』
ソラ「好きな子が泣いてるのに…離せるわけないでしょ…」
『ソラ…』
ソラ「今は…僕のことだけ考えてよ」
ソラはの顎を持ち上げ、唇を合わせた
『ん…っ』
チュ…
『ぅ…ん…っ』
の瞳から涙が流れた
苦しくなってソラの胸を叩いた
『…っはぁ』
ソラ「苦しかった…?」
『…………』
ソラ「指輪の魔法使いのこと考えてる?」
『…………』
はソラの顔を見れなかった
ソラ「僕の目を見て」
『…嫌』
ソラ「僕の目には…ちゃんしか映ってないよ…?」
『え…?』
その瞬間ソラと目が合い、反らせなくなってしまった
『(本当だ…何も感じない…何の声も聞こえない…)』
身体中から力が抜ける…
もうどうでもいい…
ギャア!ギャア!
ソラ「!!」
『ガルちゃん…!?』
ガルーダが現れ、ソラを攻撃した
ソラ「じゃあ…またね」
『ソラ…!!』
ソラは去って行った
涙が溢れる
その涙を拭いながらガルーダを追った
―――――
が駆けつけるとビーストが戦っていた
は弓矢を構えて放った
バシュッ!!
《!!》
矢はファントムの腕をかすった
『かすっただけか…』
《またお前か…何者だ…?》
『何だっていいでしょ』
仁藤《ちゃん…!逃げろ…!コイツ…強ぇ…!》
『知ってる。でも…晴人が来るまで持ちこたえる…!!』
直美「晴人なんかに…!!」
『あなたは黙ってて!!』
瞬平「ちゃん…!」
『(普通の弓矢じゃダメだ…。もっと魔力を使わなきゃ…!!)』
は魔力を最大に矢に込めた
瞬平「でかっ!!」
ピシッ…!!