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仮面ライダーウィザード 

第32章 「涙」




『どこに行ったの…!!』

は走り回っているがあのファントムは見つからない

『何でも治せる…完全魔法があればいいのに…っ』

そうすれば晴人を助けられるのに…

“無力”

今の私にはぴったりな言葉


ピシ…ッ


『…?』

微かに聞こえる音

『何…?』


ピシ…ッ


『どこから…何かが割れる音…みたいな…』


まさか


は恐る恐る自分の右手を見る

腕の傷が広がっている

『!!!』

ゆっくりではあるが確実に傷の広がりが早い

『何で…!!今魔力は使ってないのに…!!』

一気に恐怖心が増す

『晴人に…っ!!』

は携帯を開き、晴人に電話をしようとしたが手を止めた

今は晴人に頼っちゃいけない…

一番晴人が苦しいんだ

『でも…どうしてこんなことに…!』

冷静に思い返してみた

そんなに増大な魔力は使っていない

だとすれば?


『あの…ファントム…』


斬られて何もなかった

普通なら無理やりアンダーワールドに入り込むゲートが出現するはず…


『私のアンダーワールドって…?』


そういえば昔…晴人が私のアンダーワールドに行こうとしたときがあった

でもエラーが出て行くことができなかった

もしかして私にはアンダーワールドがない…?


ピシッ…


『痛…っ!』

とにかくこのままじゃ…大変なことになる…

『早くあのファントムを探さなきゃ…!!』

傷は隠せば大丈夫


「きゃあああああ!!!」


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