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イカロスの翼【ヒロアカ】

第48章 原点




突如として。
眩いほどの白い炎が、の身体から溢れ出た。
煌々と光っているその炎を見て、戦闘を続けていた荼毘と、轟が攻撃を止めた。
彼女の、身体が燃えている。
バラバラと、焼けこげて、灰になっていく。


「ああぁあ!!!!!」
「……っ待てよ焦凍、ありゃ無理だ、もう燃えちまう。その前に俺ともう少し遊ぼうぜ!!」


彼女の死を知ってから。
十分に悲しむことも出来ないまま、みんなを守るために孤軍奮闘していた轟が、叫んだ。
荼毘に背を向けて。
轟がの方へ駆け出した。
激しく燃え盛り、発光する彼女の身体から。
白い火の鳥が飛び上がった。
その場にいたプロヒーロー、敵、全ての視線を集めたその鳥は。
盛大な火花を散らして、彼女の身体の中に飛び込んだ。
さらに眩さが増す彼女の炎に、目を開けていられず。
全員が瞳を閉じた。
ゴゥ!!!と荒々しい熱風を生み出して。
白い炎がかき消えた。













誰もが目を見張った。
不死鳥の名を冠する彼女は、ゆっくりと。
特徴的な銀髪と、瞳の奥の炎を燃やして。
灰の中から立ち上がる。



























『ーーーおはよう、轟くん』






















































ーーー。
個性名「カルラ」

カルラは白炎を放出する。
まるで神話の不死鳥にも似たその鳥は、寿命と引き換えに、宿主を限られた回数甦らせる。

そして、もう一つの個性名「不明」

彼女の母親が宿していた個性。
高圧力のエネルギーを出力し、瞬時に対象を消失させる。






























彼女が息を吹き返した、現在の戦況は。
ヒーロー側が圧倒的に不利だった。
膝をついたまま動けないNo.1ヒーローエンデヴァーと、四肢損壊した緑谷、内臓損傷により意識朦朧としている爆豪、その爆豪を戦線離脱させようと肩を貸している飯田、荼毘の炎によって焼かれた波動。
少し遠くの位置には、応急処置のみ施された相澤、グラントリノ、他数名の負傷者たち。
そしてただ一人。
負傷者全員を死柄木、マキア、荼毘から何とか守ろうと、轟が一人で戦っているような、最悪な状況だった。


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