第47章 後ろの正面だあれ
「おまえ、コーヒー飲めんの?」
『飲めるよ』
「へぇ……の割に渋い顔してんなぁ。そんな泥みたいなもん飲んで、何がいいんだか」
『目覚めにいいんだよ。目覚めにね』
「んな苦いなら砂糖でもぶち込んだらいいだろ」
『いや……いらない』
「なんの痩せ我慢だよ」
『キミにもいれてあげるよ、このにっがいコーヒー』
「いらねぇよ…聞くだけで不味そう」
眠い
眠いのに、もう時間か。
「ーーー…あれ?ここ……あぁ、病院か」
肌寒い起床だった。
死柄木は身震いし、周りの景色を見渡した。
「…あー…ほとんどダメになってら、折角増産してもらったのに。オーバーホールも浮かばれないぜ」
さて、と。
蛇腔病院一帯、半径数キロを塵にした張本人は、無線を通して指示を出した。
「おいで、マキア…みんなと一緒に」
今、ここから。
全てを壊す。