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イカロスの翼【ヒロアカ】

第44章 君は友達




「この冬の間に一回でも、俺より早く敵を退治してみせろ」


始まったエンデヴァーのインターン。
課題はとてもシンプルで、とてつもなくハードルが高いものだった。
インターンが開始して早1週間。
緑谷達は誰一人としてエンデヴァーの初速、事件解決スピードに追いつくことができずにいた。
を除いては。


(さん、変容した個性を使わないって決めてから、ものすごく速い…!!)


仮免試験、スタートで見せたの宙の舞は、あの時も今も変わらない。
自由に空を滑空する火の鳥のように、カルラは彼女の身体を高速で運ぶ。
なぜ、今までこの飛行方法を使わずにいたのかと緑谷が聞いたところ、『新しい個性を身体に馴染ませたかったから』と言っていた。
ホークスに負けず劣らずの速度で彼女は白炎となって空を飛び、度々エンデヴァーを追い越しては、標的の敵を蹴り抜いた。
突如、開いた実力の差。
爆豪は躍起になって彼女を追い越そうとするが、冬の気温もあってか、なかなか速度が出ない。
轟に関しては得意の氷結で追いつこうとするものの、スピードが限られている。
何とかしてエンデヴァーのように、火力をコントロールして敵を追跡する必要性が出てきていた。
緑谷はといえば、新しく発現した黒鞭という個性と身体強化を可能な限り継続して出力し続ける。
トップスピードで常に走り、黒鞭も微力であろうと発現させるのだ。
意識して出来るようになるのではなく、寝ていても出来るように習慣づけろ。
エンデヴァーの指示だった。


(ーーーこんな小娘が雄英にいるなど、体育祭の情報ではなかったはずだ)


エンデヴァーを、まるでホークスのように追い越していくフェニックスを睨みつけ、轟炎司は思考する。
彼女の飛行速度は、ホークスに似ているとはいえ、彼よりも劣っていると判断できた。
しかし、初日に事務所で啖呵を切っていた通り、は妙な格闘技を使うようで、肉弾戦が異様に強い。
加えて、他の三人が言うことを小耳に挟む限りは、本来彼女の個性は、パワー系だという。
アクセルを踏み、火力をあげていくのではなく。
緑谷のように、ブレーキを踏み、個性を抑える必要が常に生じるという。


(……ホークスめ、追って情報が来るかと思いきや、音沙汰がない)


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