第43章 仲間はずれ
「ようこそ!エンデヴァーの下へ…!なんて気分ではないな」
インターン開始初日。
雄英生たちを駅までわざわざ出迎えにきてくれたエンデヴァーが、開口一番そう言った。
「焦凍の頼みだから渋々許可したが!!焦凍だけで来てほしかった!!!」
「許可したなら文句言うなよ」
「焦、焦凍!!」
「補講の時から思ってたが、きちィな」
「焦凍本当にこの子と仲良しなのか!!」
「あぁ」
「仲良しじゃあねぇだろ!!」
「許可して頂きありがとうございます!」
生意気な態度をとる爆豪と、真面目に誠心誠意挨拶をしてくる緑谷、そして、轟親子を黙って観察している。
エンデヴァーのインターンに申し込み、許可をもらった生徒たちだった。
自己紹介も済ませることなく、歩き始めたエンデヴァーの後ろをヒーローのひよっこたちが追いかける。
「申し訳ないが、焦凍以外にかまうつもりはない」
そんな話を持ち出した矢先、エンデヴァーは車道に飛び出し、駆け出した。
「学びたいなら後ろで見ていろ!!」
「指示を!!」
置いていくような速度で駆け出したエンデヴァーの背後を、4人の雄英生が追いかけてきた。
その姿勢を確認し、改めてエンデヴァーが声を荒げる。
「後ろで!!見ていろ!!」
「逃げよ国民!!私は闇の元凶を討ち滅ぼすものなり!!」
「硝子操作かご老人。素晴らしい練度だが…理解し難いな。俺の管轄でやる事じゃない」
奇声を発し、宙を飛ぶガラス玉に乗ったまま飛行する敵。
裏路地に逃げ込む敵を追いかけ、エンデヴァーが路地へと飛び込んだ。
「今じゃやれぃ!」
「イエス、マスター!!」
カルト宗教のような少人数の敵組織の犯行のようで、裏路地から飛び出したエンデヴァーに向かって、数人の男たちが鉄パイプを振り下ろす。
背後を取られたエンデヴァーの後ろ。
会敵し、No.1ヒーローを防衛しようと緑谷、爆豪、が応戦する。
あと一瞬で敵を捕縛しようというその時。
天から声がした。
「あれ!?あぁ!!インターンか!」
緑谷と爆豪の手が空を斬る。
が敵の一人のジャケットを掴んだ。
その手柄を横取りするかのように、瞬間的に敵を捕縛し飛び去っていこうとする剛翼と、彼女の間で。
首の皮を摘まれた猫のように、敵がぶら下がった。