第35章 犯罪者の手記
超常解放戦線の幹部会議が行われた。
新たな名を冠して10分後の緊急会議だった。
やり玉にあげられたのは、未だ十分な会話ができていない彼女から一切視線を外さないホークスと。
ホークスにも、この会議にも一切興味がなさそうな表情をしただった。
「では「ホークスと昔馴染みだなんて聞いてない!」
会議の議長を取り仕切ろうとしたリ・デストロの声を掻き消して、ホークス達から見て一番左に座っていた美青年が我慢の限界といった様子で怒鳴った。
ホークスが名前も知らない青年は、どうやらにキレているらしい。
怒声を浴びせられたは、ふいっと彼から視線を逸らしてこともなげに答えた。
『言う必要ある?』
「おまえ…!!」
「外典、落ち着きなさい」
ホークスはじっと、外典と呼ばれた青年を観察する。
聞いたことのない敵名。
(…苛立ち、焦燥感…嫉妬?)
青筋が浮かんだ彼の表情を眺めて、ホークスはそんな感情を読み取った。
「喧嘩は会議の後にしなさいね。それでーーーホークス、君はなぜここにいる?」
「俺がリクルートしたからだ」
「リクルート?なるほど、敵連合側から入ってきたということか」
荼毘が面倒くさそうに発言した。
F・G・I社代表、スケプティックが状況を整理しようと、自分の思考を言葉に乗せた。
「外典がを連れてきて1ヶ月…あまりに不自然じゃないか?」
「待て待てスケプティック、は本当に外典と運命的な出会いを果たしてここに立っている。デストロの手記が二人を引き会わせたんだ。しかし確かに、No.2が敵連合に協力を申し出るとは違和感が拭えない。君はどんな思考をして、ここにいるのかな?」
「仮初の平和を守る礎になってきた。だが、そのせいで人々は自ら、誰かを助けようとはしなくなった。きっとヒーローが助けてくれるだろう、そんなゴミが増えて、醜悪な国になった」
自分の思いと、社会の方向性が違い。
自由に飛べなくなった。
「ホークス、おまえ…いい奴だな!!悪者だろ!!」
「えー、嘘くさいです」
「人が身を粉にしてリクルートしてきてやったのに、やっかむなトガ。こいつはここに来るまでに、No.3のベストジーニストを殺ってんだ。席は用意してやってもいいと思うぜ。死柄木の許可ももう取ってる」