第34章 炎天
「おい何してるNo.2」
荼毘に声をかけられ、俺は完璧な笑みを浮かべ直した。
「嬉しそうだな」
「ああ!皆に紹介頼むよ」
絶対にこの組織の全容を把握してやる。
まだ奥に後ろ盾がいる。
(…全貌を突き止め、一刻も早くエンデヴァーさん達に…!さァホークス、ここからは遅れを取れば日本が終わるぞ)
「紹介…紹介ねェ。あー、お前絶対会っといた方が良い奴がいるよ!来いよNo.2」
なぜか途端に嬉しそうな顔をして、荼毘が乱雑に俺の肩を組んできた。
仲間さながら、仲良さげに肩を組まれたまま、荼毘の歩く方向に合わせて歩く。
そして。
「!こいつが紹介してくれってさ」
目の前の光景に。
俺は呼吸を忘れた。
荼毘に紹介されたのは。
銀髪が特徴的な、華奢な身体の少女。
見慣れた立ち姿に、見慣れた洋服。
白炎を瞳の中に灯した彼女の視線が、俺をまっすぐに貫いた。
「……どうして君がここに?」
笑いもせず。
一切表情も動かさず。
は言った。
『ーーー…キミこそ、どうしてここへ?』