第27章 青き恋心
雄英生の今年度インターン無期限停止が決まった。
今後の自主課題の打ち合わせ関係と、一区切りの挨拶ぐらいは必要だろうという名目で、各自一度、全てのインターン生がインターン先へと顔を出した。
「フェニックス、ツクヨミ!会うのが遅くなってごめん、こっちもずっと立て込んでいてね。しばらく博多に来ることもないだろうし、俺が仕事終わるまでちょっと観光でもしてきなよ」
「…ホークス、観光とは」
「博多名物食べておいで!話せるようになるのは大体2時間後の…17時20分ごろかな」
と常闇がホークス事務所に到着すると、珍しく、サイドキックに混ざって事務処理に奔走しているホークスがいた。
『手伝います』
「ホント?助かるなー、じゃあ二人とも彼から資料受け取って提出日付順にそれファイリングして」
「ホークス、この事件報告書…」
「それもう見た、ボツ。やり直し」
「ホークス、こっちも」
「あーはいはいここにいれといて、後で見る」
バタバタと事務所内をホークスとサイドキック達が飛び回りながら仕事をこなす中、一人黙々と机上の書類の山をまとめ続けていた一番若手のサイドキック。
彼から指示をもらい、と常闇も書類整理に勤しむこととなった。
「ずいぶんと立て込んでいるんだな」
「そりゃそーよ、ホークスが3日事務所を空けてたから溜まりに溜まった書類が目白押し」
『3日も?』
「君らの事務所訪問がなけりゃ、今日も帰ってこない予定だったよ。今全国規模の事件捜査をしてるみたいでね。飛び回ってるよ、文字通り」
他のサイドキックが小停止を挟みながら仕事を続ける中、ホークスは一切働く手を休めない。
その異常ともいえるのめり込み様に、が顔を作業中の手元に向けたまま、数秒、視線だけでホークスを見つめた。
すると、すぐ彼はその視線に気づき、ばっちり二人の目が合った。
ホークスは軽く微笑み、トントン、と自身のスマホに指を二回置いた。
はそのしぐさを見て、自身のスマホを取り出した。
〈今日の夜、デートしよう〉
短文の彼からのメッセージを確認し、はまたホークスを見た。
そして、こくりと頷いた。
「えっホークスまた作業の速度あがった…!?」
「今日俺定時で帰るから!皆よろしく!」
「いや、またいなくなんのかよ!」