第25章 プロローグ
■月■日(晴れ)
毎日書いていた報告書がもう必要なくなった。
不要だと言われた。
けれど、もう習慣となってしまっているから、まだ、なにか書いていようと思う。
毎日何かをすることは、私にとってとても大変なことだ。
けれど、報告書に関しては、毎日続いていたから不思議に思う。
そういえば。
私が提出しては燃やして、提出しては燃やしていた今までの記録用紙は、燃やしてしまったら、結局「記録」とは呼べなくなくなってしまうらしい。
誰に読ませるわけではなくとも。
こういった日々の記録は、保存しておいて、「日記」という名前で呼ぶらしい。
情報ろうえいの心配はないのだろうか?
■■くんに聞いたら、そもそも、日常的に情報ろうえいを気にしているのが普通じゃないらしい。
普通になりたいから、日記をつけることにする。
早くクラスの皆に溶け込みたい。
公安との接触はこれより0になる。
もう、書きたいことがない。
もう、なにもない。
なんと記せばいいのか。
これからの身の振り方がわからない。
どうすればいいのかわからない。