第18章 西へ東へ
結局。
と、轟と、爆豪の3人でコンビニに昼食を買いに行った。
といっても、爆豪は終始と轟を撒こうと必死で、コンビニに二人を残し、さっさと食事スペースが用意されている補習会場へと戻って行ってしまった。
「、いつも思うがヒーロースーツの上に羽織ってるジャケット、暑くねぇのか」
麺類が並んでいる保冷棚をじっと見つめながら、轟がに問いかけた。
『結構暑い。でも、着てると頑張れるから』
サンドイッチが並んでいる保冷棚を見上げて、がそう返事を返した。
「『…これにしよう』」
同じタイミングで言葉を発して、二人ともレジへと並ぶ。
はカフェオレを追加で頼んだらしい。
会計を終えて先に外で待つ轟から1分ほど遅れて、彼女も外へ出てきた。
信号待ちをする間、轟が、ストローを吸う彼女の口元に視線を奪われていると、がそれに気づき、カフェオレを彼の方へと差し出してきた。
『カフェオレ、少し飲む?』
「…っ…いい」
『…うん?いいの?』
「あぁ」
ふいっと視線をそらす轟を眺めて、が少しの間首を傾けて硬直した。
それから数秒も経たないうちに、信号が変わり、二人とも歩き出した。
補習会場内の会議室では既に何人かの医師が受講生たちの手当てを行なっている。
白衣を着た大人たちの中で、一際キョロキョロと辺りを見渡し、落ち着きを失っていた若い女性が、たちの姿を見るやいなや「あっ!」と叫んだ。
「さん!お昼買いに行く前に手当てが先でしょう!」
『げっ…』
カツカツカツと、ヒールを鳴らし。
女医がの側に近寄ってきた。
そして、彼女は人目も憚らず、ベリっという効果音がしそうなほど勢いよく、の制服の背をめくりあげた。
「…ッおい、こんな場所……で……」
のすぐ隣には轟がおり、そして後方の座席には爆豪も座っている。
同性のすることとはいえ、デリカシーがない。
苦言を呈そうとした轟だったが。
その惨状を見て。
彼は言葉を失った。
「………、背中…」
彼女の背中には
目を逸らしたくなるほどの赤黒い傷がくっきりと浮き上がっていた。