「新テニ×ナージャ」理想のペア、ダンデライオン一座に会う!?
第1章 理想のペア、ダンデライオン一座に会う!?
「いいんだよ」
団長のゲオルグはニカッと笑い、理想のペアの肩を軽く叩きました。
丸井と木手はそれから、ナージャたちダンデライオン一座と別れ、三船コーチのところすなわち宿泊先のホテルに戻ります。
宿泊先のホテルに戻る道中のときのことです。先ほど、理想のペアがヴィネツィアの警察に捕まるところを助けてくれたかもしれない金髪の青年に会います。しかし、服装の色がちがい、今回の青年は白の紳士服を着ていました。
「これ、もしかして、君たちのですか?」
白の紳士服を着た金髪の青年は、肩に背負った荷物を丸井と木手に見せながら、尋ねます。金髪の青年が持っていた荷物はまさしく、怪盗黒バラに先ほど盗まれた三船コーチの荷物でした。
「はい、そうですが、なぜ、あなたがこの荷物を持っているのですか?」
青年から三船コーチの荷物を受け取り、木手がそう聞き返します。
「怪盗黒バラがこの荷物に興味を失せたからではないでしょうか。落としていくところを僕が見かけ、拾いました。良かった、あなたたちに行き会えて」
「何か、まるで、さっき会った人と別人みたいだな」
「そうですねぇ、服装の色も明らか黒から白になっていますし」
「じゃ、僕はこれで失礼します」
白の紳士服を着た青年は深く理想のペアにお辞儀をしたあと、行ってしまいました。彼は実は丸井と木手がヴィネツィアの警察に捕まりそうになったところを助けた人物と別人であり、黒の紳士服を着た青年キースすなわち怪盗黒バラの双子の弟、フランシスだったのです。