第2章 端緒
仕事して、お風呂入ってご飯食べて食器洗って洗濯物たたんで、明日の準備して寝て、起きて弁当作って朝のニュースみながらご飯食べて、仕事しに行って。
就活してるときは、仕事もプライベートも(主に二次元)充実させるつもりだった。
いつの間にか、仕事中心の生活。
こんなはずじゃ無かったのに。
あーつまんない。
惨めだな、なんか。
天を仰ぐ。
「・・・二次元の世界に逃げたい・・・」
呟いて、刹那。
わりと近くで聞こえる、雷鳴。
降り注ぐ、大粒の雨。
天気予報、雷雨とか聞いてねえよ。
無いよりはマシ、小さな折り畳み傘を開き、残りのお酒を飲み干し、リュックにコンビニ袋とスマホを投げ入れ、立ち上がる。
自転車にまたがり、一漕ぎ。
対向車のヘッドライトに照らされ、反射的に目を瞑る。
ほろ酔い気分にどしゃぶりの雨、ペダルを踏み外し、バランスを崩した車体、
生身は芝生の斜面を滑り落ちる。
葦の茂みの中で固い何かに頭をぶつける。
雷の落ちる音が頭のすぐ近くでした。