第1章 切望
こんなに苦しいなら、
あなたを好きにならなければ良かった。
カッコいい、可愛い、尊い。
二次元へのときめきは、この世界に戻ってからも、何度もあった。
だけど、こんなに胸が苦しいのは初めてで。
見なければいい。考えなければいい。
分かっていても、忘れたくても。
どれだけ忙しくしたって、一人になったとき、今ごろどうしているのかなって。
深酒をして眠っても、夢に出てきて。
神様が憎い。
この世界に戻ったとき、あの世界での記憶全て、消してくれれば良かったのに。
だけどもし、神様がいるのなら。
どうか、
どうかもう一度。
叶うことなら。