第3章 蒙恬(もうてん)×湯女(ゆな)
きょ、今日からこんなに大きなお屋敷で働くの…!?
連れて来られたのは、先輩の湯女さん曰く、
大将軍である蒙豪将軍とその息子である蒙武将軍のお屋敷。
そして、私が担当するのはその蒙豪将軍のお孫さんにあたる、蒙恬(もうてん)様の湯浴みの手伝い、という訳なのだが…
戦とは無縁の町で育った私にとって、将軍の名前を聞くのは初めての事で"有名"と言われてもピンと来ない。
それに正直、この湯女という職業も気が進まない…
だって、男の人の身体を流すのを手伝うって事でしょ…!?
身寄りのない私は文句の言える立場ではないが、今すぐにでも引き返したいくらいだ。
しかし、意気地なしの私に逃げ出す勇気などなく、夕方になってしまい、
渡された湯浴み着に着替え、教わった通りに準備をする。
…と言っても、白くて薄い生地のこれでは身体のラインは丸見えで、
普段明るい先輩達もこんな格好で…!?
だがしかし、ここまで来てしまったのだ。
覚悟を、決めよう…!
そう目を開けば、上機嫌な鼻歌が聞こえてきて、