第2章 信(しん)×村娘
『んっ…あれ、家?』
目を開けば馴染みのある天井にホッとする。
なんだかとても長く眠っていた気がする。
…って、あれ!?
『信様!?』
「おや、華?目が覚めたのかい?」
『…おばあ、ちゃん?』
えっ!?いやいや、なんで、家にいるの!?
私、確かに、信様の家に居て…
それから……
……っ!?
「なんだか元気な少年が、華を抱えて来てくれて。
…あぁ、そういえば伝言を頼まれてたんだったなぁ」
『えっ!?な、何!?』
「忘れそうだったからここに書いておいたよ」
その言葉に急いで布団の中から飛び出すと、机の上に置いてある紙を手に取る。
"悪いな、お前とはもう少し一緒に居たかったんだが、次の戦に出なきゃならねぇ。また会いにくるから絶対に待っとけよ"
『信、様……!』
胸の中が急に熱くなるのを感じた。
もう会えないかと思っていた。
なのに…嬉しすぎてどうにかなりそうだ。
きっと信様なら戦も大丈夫なはずだ、
だって、あんなにお強い。
「おやまぁ、華。泣いているのかい?」
『うん、嬉しくて……泣いているの』
Fin