第1章 キスから始まるストーリー【澤村大地】
「……じゃ、俺たち両想いなんだな」
「なんか照れるね……わっ」
苗字をその場で強く抱き締める。
「……苗字、じゃなくて、名前。俺の彼女になってくれる?」
「もちろん。私の大切な彼氏の大地くん」
こうして、キスから始まった俺たちの関係は、長い時間を掛けて結ばれた。
***
「大地くん、大地くん起きて」
「……ん、名前」
「こんなとこでうたた寝してたら風邪引くよ。寝るならベッド」
「……いや、勉強続けるべ。さっきの続き、1問正解したら1回チューな」
「ふふっ、いーよ。大地くんは本当にキスが大好きだね」
「名前のキスだけな」
END