• テキストサイズ

【ハイキュー!!】短編集~Mint tea~

第9章 バンドガール・ラバー【澤村大地】




「日向、問6の1つ目は?」


東京遠征の為、馬鹿4人が部室で勉強に励んでいたある日。




「なぁなぁ大地、スガ」

「何だよ、旭?」

「頼むっ!俺にも英語、教えてくれっ!!」


旭からの頼みで、俺たち3年も勉強会を始める事になった。


テスト1週間前の部活休止期間中、勉強会の為に集まった旭のクラスの教室で、俺は彼女に出会った。



「よろしくお願いしまーす!」



それが旭のクラスの、苗字 名前だ。


「苗字も英語分かんないらしくて……俺が今日お前らに教えてもらうって言ったら一緒に聞きたいって……。飛び入りだけど、大丈夫か?」

「ああ、俺たちは全然構わないよ?教えれば自分も勉強になるし」

「ありがとー、菅原くん!」


スガの言葉に、彼女は胸の前で手を組む。
その手には指輪、手首には少しごついブレスレットが揺れていた。



「苗字さんだよね?俺の名前知ってたんだ?」

「うん!イケメンだって有名だからね~」

耳にはピアスが光り、襟元が空いたシャツには指定のリボンが付けられていなかった。



俺の周りには絶対にいないタイプ。

顔は何度か見た事があったけど、進学クラスでは無いから被らないし、よく知らない子。

話す前の第一印象は、チャラチャラした子、だった。



「えっと……バレー部の主将クンだよね?」

「そうだよ。澤村だ」

「苗字 名前です!よろしくね」

ニコッと笑いかけられて、俺もひとまず営業スマイルを返す。

/ 190ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp