第6章 17歳の君が好き。【澤村大地】
昼休み終了五分前の予鈴が鳴り、教室へと戻る。
「お前ら、二人っきりで何してたんだよー?」
「ま、スガちゃんと一緒に見てたけどぉ」
「ずっと見てても飽きなかったよな?」
「あ~んなコト、学校でやる人いないからねぇ~」
「俺ら以外は誰も見てなくて良かったなぁ大地ぃ?」
一部始終を見ていたらしいスガちゃんとミオが、これでもかという位ニヤけた顔で出迎えた。
二人の視線に全く気が付いていなかった大地と私は、再び真っ赤になって自席に着いた。
***
午後の授業中、3列前の大地から、私宛に小さく折り畳まれたノートの切れ端が回ってくる。
『名前スカート短すぎ。風が吹いた時、チラッと見えたぞ』
「っ!!??」
「苗字?どうしたー?」
自席でガタッ!と机を動かしてしまい、先生から問われる。
「な、何でもありません先生……」
私の方を振り向いて、ニヤッとする大地と目が合った。
これ以上、ドキドキさせないでよ。
17歳の君が好き。
今しかない、この時間と。
今しかいない、あなたが。
恋人になれるのは、もう少し先だけど。
今でしか感じられない事がある。
これってすごく特別な時間。
17歳って、すごく特別。
END