第3章 おっぱいの話【澤村大地】
「大地ってさ」
「ん?」
「……巨乳、好きなの?」
「はぁ?何だよそれ」
「……田中が言ってた。アイドルのポスターの中で一番巨乳の子選んだ、って」
「……」
うちのリビングで大地と一緒にテレビを観ていた時、お母さんが買い物へ出て二人きりになった機会を狙って、最近モヤモヤしている話題を振った。
私は、貧乳がコンプレックスだった。
***
大地は私の一つ上で、同じ烏野高校に通う幼馴染みだ。
家が近所で親同士も仲が良く、高校生になった今でもお互いの家を行き来する。
何かあったときは家族ぐるみで助け合ってきた。
小学五年生の時に、大地への恋心に気が付いた。
それからはずっと片思い。
勉強もスポーツも出来て皆からの人望がある大地と私とでは、釣り合わないから告白はしていない。
大地と同じバレーボールのコートに立ちたくて、中学でバレー部に入った。
追いかけるようにして同じ烏野に入って、またバレー部に入った。
私って、ストーカー?って思っちゃう。
女子と男子で体育館が違うのは誤算だったけど、バレーするのは好きだ。