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追憶【レイトン教授】

第10章 【魔人の笛】第六章――神に選ばれし男――







レミがスコットランドヤードに行っている間に、レイトンたちは町の調査を始める。
一人で行かせたことが心配なのか、何度かはレミの去った後を見つめる。

「そんなに心配しなくてもきっと大丈夫だよ、レミなら」
「だといいんですが……」

笑みを零しながらレイトンはにそう言った。
レイトンの言葉を信じて、彼らはアランバードの死について話を聞いて回る。
ユラは、彼女の父親が町の人たちに嫌われていたと思い込み、ひどく傷つき心を閉ざした。
しかしレイトンとは思う。
果たしてそれは事実だろうか。
町の人たちがそんなことを考えていたとは思えない。

それを確かめるために調査をする必要がある。
そうしなければ彼女の心を救うことなどできない。

警察署をあとにし、左側へ歩を進めた。

「街灯が、捻じれてますね」
「ああ」

の言う通り、なぜかこの区画は街灯のみが捻じれ壊れていた。
ここにも魔人が現れ暴れたらしい。
家や道路などは修復が完了したが街灯のみ修理されていない。
追い付いていないだけだろうが。

「ルーク、今まで魔人が現れた場所を全て覚えているかい?」
「いえ、多すぎてよく覚えていません。でも……」

でも。
その先はなんなのか。
何も言わず、ルークはカバンから一冊の手帳を取り出し、レイトンに手渡した。

そこには今まで魔人が現れた場所を記録しているという。
ルークは誰にもこの手帳を見せるつもりはなかった。
しかし今レイトンに渡したと言うことは、彼のことを信頼しこの手帳が役に立つと信じているからだ。
もまたレイトンの隣に立ち、手帳を覗きこむ。

「役に立つでしょうか?」

何も言わない彼らに痺れを切らしたのか、不安そうに尋ねるルーク。

「ルーク、君には研究者としての素質があるよ」
「うん。すごくいいデータだ。推理は空想じゃない」
「多くの情報から導き出される情報だからね」

手帳には、ルークがみたこと気づいたこと、魔人が現れた日時、壊した場所など、こと細かに書かれていた。
幼いながらも、着眼点のいいルークにレイトンもも感心してしまった。



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