第7章 【愛と情熱の国だから】
ある日の朝。
彼女の家で殆ど居候に近い生活を送るドフラミンゴは、良からぬ事を考えていた。
朝食を摂る時に、向かいに座るに話を持ち掛ける。
「なァ」
『はい?』
「この後1発どうだ」
『嫌ですけど』
「そう言うと思ったぜ…」
食パンを片手にした彼女からハッキリと断られる。だがそれは想定内だ。珈琲を一口飲み、口角を上げて「プリンとの交換条件はどうだ?」と聞くと『………』必死に考え出す彼女。
「やっぱりお前ってチョロいよな」
『喧嘩売ってます?』
「まさか」
両手を挙げ否定すれば呆れた様に溜息を付く彼女。しかし、プリンと言えばちゃんと考えてから答えを出す彼女は本当にチョロいと思う。俺以外の奴に好物が知れてたら、それを釣りにされて何処へでも着いていっちまいそうな勢いでプリンが好きなのは知っている。
交換条件を出した所で、俺はを抱きたいだけだから無条件でやらせてほしいものだ。
『私の記憶が正しければ、ここ最近ほぼ毎日私のことを抱いてますよね』
「そりゃあお前……」
『第一、今から届け先の所へ行かないと駄目なんで無理です』
そう言うと食器を台所へ持って行き、白衣を羽織り店の方へと移動する。その後を追うように俺も着いていく。
紙袋に薬品を詰め、地図を持って出て行こうとするので呼び止めた。
「俺が連れて行ってやる」
『え、良いんですか?』
「アァ」
『そのお礼に帰ったらやるとか言いませんよね』
「よく分かったな」
『じゃあ結構です』
企みに気付かれ呆気なく空振りに終わる。