第14章 前進、変化
桜木「俺にとって奈々は凄く大切な存在なんだ。」
奈々「うん。」
桜木「だから俺はもう、奈々とは…そういうことはしない。友人としてそばにいようと思う。」
奈々「…うん、わかってるよ。」
そう。私がお節介を焼いたあの日以来、私達はそういう事をすることもなく、上司でありながら友人のような不思議な関係へと変わっていた。
お互い何を言うわけでもなく自然とそうなっていった。
桜木「俺はそれをきちんと伝えようと思って今日は来たんだ。聞いてくれてありがとう。これからも…よろしくね。」
奈々「話してくれてありがとう。」
そう言った後、岩崎さんが真剣に私と向き合い話し出す。
岩崎「…奈々。俺は…お前が好きだ。だからそばにいてくれないか」
そう恥ずかしそうに私に問いかけた。
私は返事に迷う事なく、答えた。
奈々「……。うん。喜んで。」
気付けば岩崎さんへの想いが強くなっていた。だから私は迷わなかった。
岩崎さんは安心したように私を抱きしめた。
桜木「岩崎さん、奈々を泣かせたら承知しませんから(笑)」
岩崎「…わかってるよ!」
その後、桜木さんはおでこにキスをして帰っていった。
部屋には私と岩崎さんの2人。
〜夜〜
岩崎「…奈々。」
奈々「ん?」
岩崎「実は俺、あのゲーム日よりも前から、ずっと気になってたんだ。お前のこと…。」
奈々「…えっ!??」
岩崎「入社した後お前が部下になって、仕事に真っ直ぐで、いつも元気で周りを笑顔にする…そんなお前に惹かれてたんだ…。結婚の話を聞いたときはショックだったし、諦めるしかないなと思ってた。だからあのゲームには…正直少し感謝してるんだ…。始まりかたは…良くなかったが今こうして一緒にいられて嬉しい」
奈々「そう…だったの…?全然知らなかった…」
岩崎「社内でも…結構人気というか…好意を持っていたやつは多かったんだぞ?気づいてなかったのか?」
奈々「…全く…。」
岩崎「お前らしいな(笑)」