第13章 裏切りと解決
奈々「ううん、大丈夫。…あのさ、この電話…そのまま社長に繋いでくれるかな。」
岩崎「うん、わかった。」
心配そうにそう言って社長に繋いでくれた。
私はそのまま社長にも同じ説明をした。
社長は透に対してひどく怒っていた。当然だろう。社員を危険な目に合わせたから。そして、今夜が山場だな。だが、気を抜くな。そして無理はするな。そう言ってくれた。
電話を切った後、私は部屋でぼーっとしていた。
部屋の中には、何人かの警察官が身を隠している。
何が起こるかわからないということだ。
そしてその夜。
ガチャーーーー。
玄関の扉が開く音。
私は怖くて寝室のクローゼットに隠れた。
しばらくすると、近づいてくる足音、寝室に来たことがわかる。
女「ここにいるんでしょ?早く出てきなよ、死にたくなければね」
そう言ってクローゼットに近づいてきた。
私は息を飲んだ。
怖い。助けて…。今にも泣きそうで、心臓の鼓動をうるさいと感じるほど。
女がクローゼットに手をかけたその時、玄関を開く音がして警官が一気に入ってきた。寝室に隠れていた警官も銃を向ける。
女は観念し、部屋にいた他のメンバーも逮捕され、無事に解決となった。
担当の警察官からは感謝しても仕切れない。と頭を下げられた。
その後、現場検証も終わり、私は解放された。
すると…岩崎さんが部屋に入ってきた。
岩崎「……奈々!!」
そう言って駆け寄り、私を抱きしめる。
私は安心したのか急に涙が出てくる。
奈々「怖かった…。死んじゃうかと思った…」
そう言って泣いた。
岩崎「もう終わったんだ。大丈夫。もう怖い思いはしなくていい。」
そう言いながら強く抱きしめる。
私が落ち着くまで岩崎さんは抱きしめていてくれた。