第13章 裏切りと解決
スマートフォンが鳴り、画面を見るとーーー。
奈々「この番号…」
そう。あれからもう1ヶ月くらい経っていたが、あの事件の担当警察官の人からのものだった。
奈々「もしもし…」
警察官「花谷奈々さんの携帯でよろしいですか?」
奈々「はい。そうです。」
警察官「落ち着いて聞いてください。ーーーーー。」
警察官から衝撃の話を聞かされた。
何故か私がいるこの部屋が組織にバレている、ということ。そしてその情報を売った人物…。それは透だった…。
部屋がバレている以上、迂闊には動けない為、部屋への出入りは禁止となった。そして、見張りをしていた警官が透が定期的にある人物と会っていることに気付き捜査をしていたらしい。その相手が私を探しているグループの1人だったのだ。
透は警察に捕まり、事情聴取では…「脅されていた。妻よりも自分の命が惜しかった。…何より金が欲しかった。」そう話したという。
私は唖然とした。言葉も出なかった。
透は、私達の家が荒らされたあの前日からすでに情報を売っていた。岩崎さんの部屋に何度か顔を見せていたのも間取りを知る為。それだけだったそうだ。
警察官「…奈々さん…?大丈夫ですか?」
奈々「…っはい。すみません。取り乱して…」
警察官「無理もありません。旦那さんですが…」
奈々「逮捕…ですよね…」
警察官「そうなるかと思います…。決まり次第またご連絡しますが、くれぐれも部屋には誰も入れないように。」
奈々「わかりました…。」
ピッーーー。
私は無意識にそのまま岩崎さんへ電話をした。
岩崎「…もしもし?どうした?今日ならいつも通りの時間に…」
岩崎さんが言い終わる前に、
奈々「私の居場所がバレたって。後、透が警察に捕まった。」
岩崎「ちょ…待て、落ち着いてゆっくり話せ。」
私はさっきの電話の内容を説明した。
岩崎「…そうか。俺は…部屋には入れないのか?」
奈々「…今夜が山場だから事件が解決するまでは入れないって。ごめんね。自分の部屋なのに…」
岩崎「お前が謝るな。すまない、そばに居てやれなくて」