第7章 虎穴のワルツ編
リヒさん家からの帰り道、バッシュさんの家の辺りを通ると、そんな話を聞いた。
エーデルシュタイン様・・・確かローデリヒさんの苗字だったような。
少し心配になった私は、ちょっと遠回りして帰ることにした。
ローデリヒ邸に着く頃には、とっぷりと日は暮れていて、足元すら見えない状態だった。
この辺りは景観維持とかそういう条例を出したらしく、街灯が少ない。
まさかこんなに暗くなるとは思わなかったので、明かりなんて持ってこなかった。
「・・・まずったなぁ・・・」
つぶやきながらも、ローデリヒさんの敷地内に入る。