第5章 どんだけ夏まっさかり!
「婦女子二人で海だと!?危ないに決まっておろう」
「はい…。でも、海…行きたいです」
「!!
わ、分かった。我輩もい・行くぞ」
「はい。一緒に行きたかったのです」
こうして、私たちは三人で海へ行くことになりました。
「バッシュさん、こんにちは」
「あっ!よ・よく来たな」
お兄様は少し視線に困っていました。…分かります、その気持ち。夏のおなごは全くけしからんですね。
でも、久しぶりに会えてお兄様もうれしそうで何よりです。最近お姉さまはうちにこなくなり、私もお兄様も会っていませんでした。何か悪いことでもしたのではないか、具合でも悪いのではないかと心配しました。きっと、お兄様も同じ気持ちだったと思います。
「日焼けしないようにね」
お姉さまはそう言って私のかぶっている麦わら帽子のつばの部分を下げた。
「お姉さまも…」
そう言いかけて、見慣れないお店が目に入った。
「あれは?」
「ああ、屋台だよ。あれはイカ焼きだよ」
お昼に食べようよ、と言っていました。いいにおいがします。
でも、お昼になる前にお兄様が、毒身だ!といって3本食べていました。だので、「お姉さま、見なかったことにしてあげてくださいませ」とご忠告いたしました。
それにしても、夏の海は危険がいっぱいです。もちろん海の中もですが、浜辺もです。お姉さまの水着姿に男たちも釘付けです。