第4章 徐々に人脈が増えている件。
「お前を見ていると、赤毛の娘がちらつく」
バッシュは出されたお茶に口を付けた後、不意にそう言って本田を見た。
「あかげのむ!」
本田は驚いたように叫ぶ。
バッシュの隣でリヒも同じような顔をしている。
これはさっそく秘密の核心に迫る話のようだ。
俺はにやつく顔を抑えることができなかった。
「「赤毛の娘って呼び方、激しく萌えます!!」」
予想に反して、二人は妙に興奮したようにバッシュに食いついていた。
そっちかよ。
俺はひとりでずっこけた。
「確かに似ておいでですよね」
そう言ってリヒはほほ笑んだ。
「あ、ははは。そんなに似ている娘さんがいるんですか。見てみたいものですねー」
それに合わせて本田も笑う。
どうやら二人は別人のようだ。
…ということは、イコール本田は女!
やはり俺は大変な秘密を知ってしまったようだ。
「今度本田と赤毛の娘を会わせてみるか」
そう言って頷くバッシュに、二人はなぜかとても慌てていた。