第4章 徐々に人脈が増えている件。
「…何があったのかは大体想像がつきます」
「本田さん。戸締りはきっちりしてくださいましね。あと、何かあれば(なくても)呼んでください」
そう言ってリヒさんは釘バットをスカートの中に隠した。
「…たくましくなったな。我輩の教育の賜物なのである」
うんうんと頷くバッシュさんに、生まれて初めて殺意を抱きました。
今日は、初めてお二人を我が家にお呼びしましたが、一人招かれざる客が紛れ込んでしまった。
「けせせせ!勝手に上がってるぜー。冷蔵庫こっちだったよな」
そう言って血まみれのギルベルトさんが勝手に冷蔵庫を開け始めた。
「ギルベルトさん!」
冷蔵庫はいいが、いろいろと困る場所がいろいろいろいろある。
私は歩き回られては困ると、ギルベルトさんについて歩く。
「まだまだ、暑いからなー…」
そう言って扇風機をつけて雑誌を読み始めた。
とりあえず視界には入れておこう。
ときどき本田の視線を感じる。
俺は雑誌を読みながらも本田にも注意していた。
…それにしても、こいつらいつの間に仲良くなってたんだ?
そういえば海にいたのもこのメンバーだった。こいつらはあの女の知り合い。
そして、本田の秘密も知ってる?その可能性もある。…ということはここで何かの作戦会議をするはずだったのかもしれない。
俺はニヤリと笑って雑誌を閉じた。
「俺様、飽きたから帰る」
そう言って扇風機を消すと、
「どうぞ」
「もう二度と来るな」
御近所二人にそっけなく言い放たれ、少し泣きそうになったぜ。
「ケセセ!一人楽しすぎるぜ―!」
そう言い残し、俺は部屋から出た。
帰ったと見せかけ、部屋の様子をうかがうことにした。
ケセセ、俺様って頭いいぜ。自分のことながら恐ろしくなる。