第4章 徐々に人脈が増えている件。
シャクシャクシャクシャク
私たちは無言でかき氷を頬張る。
そして、録画しておいたピタゴラ○一致をみている。この前見たそうにしてたから。
意外と二人になると会話がない。本田さんとも、いつもこんな感じなのかな。
私がしゃべるのがうまくないからかな?
少し不安になってフェリシアーノさんを見ると、
「菊、菊ー。あれ見てた?おかしー!」
そう言って画面を指差した。
「あー、あれですね。例のあれですね。私もあれ好きです」
「だよねー!」
私は再び画面に集中した。
録画した番組が終わる頃、フェリシアーノさんは眠っていた。
まだ濡れている髪が少しかわいそうだと思ったけど、下手に乾かそうとすれば起きてしまうな、と思ってタオルケットをかけてそのままそっとしておいた。
「本田、フェリシアーノ来てるのか?」
「あ、ルートさん。お久しぶりです」
ベランダでお茶していると垣根のほうからルートさんの声がした。
「今茶の間で寝ちゃってます」
「まあ、しばらくそのままにしておいてやってくれ。
会うたびお前のことばっかり聞いてきてたからな。最近バッシュやローデリヒのところに行ってただろ?なかなか家にいなかったからな…」
「そうですか…あ!ルートさんだって人のこと言えないですよ!私に会えないこともですが、それ以上にルートさんがかまってくれない!って嘆いてましたからね」
「そ・そうか!?そんなことないだろう!」
なにをうれしそうにしているのやら。
ひぐらしがとぎれとぎれに鳴いている。夏もいよいよ終わりのようだ。
ATOGAKI
KI SE TU HA ZU RE ☆