第4章 徐々に人脈が増えている件。
こうしてリヒさんとおそろいの服をきた。
「ウィッグもあります」
どこから出したのか少し赤っぽい髪のウィッグを持ってきた。
(なんかこういうのも楽しい…)
「今度はぜひ、着物でおそろいやってみましょうね!」
ここで写真でも撮りましょう、ということになった時、呼び鈴が鳴った。
「まあ、お兄様かしら」
「え!」
私は一瞬硬直した。
服着替えなきゃ!
ボタンに手をかけた時、リヒさんが私の手を引いた。
「お兄様に、ぜひ私のお姉さまを紹介したいです」
「えええ!ばれちゃうよ!絶対ばれちゃうよ!!」
私は断固拒否していると、ノックの音が。
「リヒ。吾輩である」
バッシュさんの声だ。
「あ、はい。今開けます」
待ってくれー!!
私は顔を見合せる勇気がわかなくて、思わずベランダに走った。
しかし、なれない服だったため、つまずいて転んでしまった。
「リヒ?すごい音がしたんだが…」
「お、お兄様。あの…お姉さまが…」
リヒさんが泣きながらバッシュさんに走り寄った。
「どうしたのだ!?お姉さま??」
「はい。私のお姉さまです」
こんな形になったが、リヒさんが私を紹介した。私は、頭から血を流しながら、
「あっあの、リヒのお姉さまです!」
と答えると、うわあああ!?と叫んで部屋から出ていったかと思うと、大量の包帯やタオルなどを持って再び部屋に現われた。
「何をしたらこんな怪我をするのだ・・・」
あきれたようにそう言いながら、バッシュさんが手当てをしてくれている。この前からお世話になりっぱなしである。
しかも、白い服に血が滲んでいるのを見たら余計に悲しくなってきた。
「リヒさん、ごめんね…」
「お、お姉さま!服のことなんて気にしないでください!また作りますから」
すでに針と布を用意している。
「…お前は、リヒの姉分なのか?」
「え…?」
「我輩はバッシュ・ツヴィンクリ。こんなに楽しそうなリヒは珍しい。これからも姉分でいてくれればよい」
少し照れくさそうにそう言ったバッシュさんに、私は「はい」と笑顔で答えた。