第11章 遊園地に行くのだ!!編
ローデさんは、地図を広げたままこちらに体ごと向けた。
「なんですか?」
「…なんだか、巻き込んでしまって、すみません」
そう言って頭を下げると、いつもとは違う穏やかな微笑を浮かべた。
「こんなことでもなければ、あなたと出かけることもないでしょうし。
…私は結構楽しんでいますよ」
気を遣って言ってくれたのか、本心かどうかは分からなかったけど、ローデさんが優しい笑顔を見せてくれたことに、私は結構救われた。
私たちは舟を借りて、交代で漕いで移動することとなった。
「順路があるみたいですよ」
そう言って、ローデさんは舟の上で地図を広げて赤いマーカーを引きはじめた。
「最初に王宮を目指すグループ、酒場を目指すグループ、砦を目指すグループが入場時点で決まるそうです」
ちなみに私たちは王宮グループ。
「一番大きな運河を上ると、王宮につきますね」
と、言うローデさんの言葉通り、私たちは王宮を目指した。
パーラララーラー♪
城に近づくといかにもな感じの音楽が聞こえてきた。
舟に乗ったまま城門を潜り抜け、しばらく漕ぐと岸が見えて、衛兵がこちらを見ながら、何人か立っている。
「通行書はお持ちか?」
少し年配の衛兵が岸に降り立った我々にさっそく話しかけてきた。
「…通行書?」
フリーパス券のことかな?と思ったけど、そういえば私たちはそんなものもらっていない。
私は困った顔でローデさんを見ると、他二名も同じようにローデさんを見た。
「…私を見たって…あなた方と条件は同じですよ」
…ですよね。