第1章 異世界への旅立ち
翼「俺を勇者にするために嘘を言ってるんだろう。俺は騙されないからな。」
アーサー「仕方ない。一回で良いから俺の言うとおりにしてみろ。」
翼「何で俺がお前の言うことを聞かなくちゃならないんだよ。」
アーサー「お前に拒否権はない。」
翼「あぁー。面倒い。分かった。やれば良いんだろう。で、俺は何をすれば良い?」
アーサー「向こうに見える木に向かって指を指せ。そして、指をそのままの状態にして頭の中で火の玉が飛んでいくイメージをしろ。」
翼「分かった。」
俺は目の前に居るアーサーに言われた通りにやった。
すると指先から火の玉が出てそのまま木に当たって木は燃え始めた。
翼「お、お、俺のゆ、ゆ、ゆ、ゆ、指先から火の玉が出た。」
アーサー「落ち着け。今ので分かっただろう。体内にマナが宿ってるのに。」
翼「どうして・・・俺の体内にマナが宿ってるんだ?マナって魔法を使うのに必要なものなんだろう。」
アーサー「この世界以外のどの世界にも世界樹はあって魔法や魔術がなくても人間はマナの恩恵を受けてるんだぞ。」
翼「でも・・・俺の世界に世界樹があるなんて話は聞いたことがない。」
アーサー「それはそうだろうな。世界樹の存在が人間に認識されているのは魔法や魔術のある世界だけだからな。」
翼「それはどうしてだ?」
アーサー「マナがなければ魔法や魔術は使えなくなるからだ。それを防ぐためにも世界樹を守る必要がある。世界樹には守護者が居て世界樹が枯れるのを防いでるんだ。」
悠里「そうか。」