第6章 推し?
ただ言える事は‥
つい最近まで、オレは安栖の事を全くと言って良いほど知らなかった。
確かに、これではマスターや安栖が驚いていた事も無理もない。知らない方が珍しいのだろう。
考えているとスマホが震えた。安栖からの連絡だった。タバコを吸いにいくと言って途中席を立ち喫煙所で内容を確認する
『安栖咲です。仕事が立て込んでました‥坂木さんはお忙しいですか?』
そんな連絡だった。すると電話が震え思わず通話ボタンを押してしまう。明るく聞き取りやすい声が聞こえる
『もしもーし!坂木さんですか?すぐ既読になったので電話してみました!』
「だろうな‥ちょうど煙草吸いにきたところだ」
『ふふ‥あの、空いてる日有りますか?』
「‥来週は、土日とも予定あるな。で、再来週の日曜は校友会も休みで1日空いてる」
『再来週かぁ‥うーん。一応その日曜日を私にください!』
「良いけどよ」
『やった!じゃ、約束ですよー!』
そう言って電話は切られた。