第11章 空白
妙な感じがした
違和感が無え
あいつらがいなくても俺達の世界は正しく回転してるんだ
そりゃそうか
あいつらは元々尸魂界の人間だ
こっちには元々あいつらの居場所なんてなかったんだから
───────………だったらどうする?
「…井上?」
考える一護の前方に織姫はいた
「何だ?井上、どうかした──」
「朽木さんと紫陽花ちゃん どこ行ったの?
どうして みんな急に朽木さんと紫陽花ちゃんのことわすれちゃったの?
黒崎くんなら……知ってると思って」
─────
「…そっか…元いた世界に帰ったんだ…それで…黒崎くんはそれを助けたいのね…」
事情を聞いた織姫
「んーー?ああ……しっかしビックリしたなー!まさか井上が俺らのこと見えてたなんてなー。そんなら…」
「…それでどうするの?」
作り笑いをやめた一護に織姫は続ける
「朽木さんもともとそっちの世界の人なんでしょ?家族も友達も何もみんな むこうに居るんでしょ!?
それを助けて…それからどうするの?家族や友達と引き離してまた こっちに連れ帰るの!?それって…正しいことなのかな!?」
(──…!)
「……………それは…」
「…なーんちゃって!」
「………………は?」
「わーかってますって!こーやってゴチャゴチャ言ってみたって黒崎くんの中じゃとっくに決まってるんでしょ!」
立ち上がり手を広げて言う織姫
「こうしてクチをグイッと曲げて、アゴに力入れて、腕組みでもしながらふんぞり返って
"生きてりゃそのうち家族でも何でもまた会えんだろ!死んだら全部オシマイだぜっ!"
あたしの知ってる黒崎くんならそう言うよ!」
「ありがとう 井上!」
そう言い黒崎は走って行った
─────
「…ううん…させない。」
或る公衆電話
「…茶渡くん?…うん、そう。うん。」
相手と話す一人の女子
「あたし、決めたよ」